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卜(ぼく)がいま興味あることを書いてます。truenoとはスペイン語で“雷鳴”という意味です。

セレンディピティー

Category: 日記・エッセイ・コラム  
電気書院発行「電気計算」3月号に掲載されていた今村遼平氏(アジア航測顧問・技師長)の【偶然は準備のできている人には、必然としてとどまる】と題するエッセイに感銘を受けました。要点だけ引いてまとめようと思ったら原文より長くなりそうだったので(^^;全文を引用させていただきます。

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 2000年にノーベル化学賞を受賞した白川英樹先生の助手が、先生にポリアセチレンの実験で1ミリモルの触媒を入れるように指示されたのを、誤って1000倍の1モルの量を入れてしまった。もちろん、こうしてできた銀色のフィルムは失敗作だが、白川先生は捨てないでそれを使っていろいろな実験をし、結果的に電気を通すプラスチックを開発したことは周知のとおりである。このあと、ペンシルバニア大学のマグダイアミッド教授からの要請で共同研究を続けて、のちに「導電性ポリマー」の開発でともにノーベル賞の受賞に至るのだが、そもそもの発端は失敗作を捨てないで調べてみたことにある。


 レントゲン(1845-1923)がX線を発見したのも劇的だ。彼はクルックス(1832-1919)が見つけレナート(1862-1947)が発展させていた陰極線の諸現象をテーマに、今日で言う「ガイスラー管抜気実験」をしていると、電源を入れて陰極線を光らせたとき、管から離れたところに置いた蛍光発光板(白金シアン化バリウムを塗ったもの)が同時に光り始めた。その源は陽極から出ており、陽極全部を遮光用のラシャで覆っても蛍光板を光らせる。レントゲンはいろいろな物質でその光を遮へいしてみたが、多くのものを透過してしまう。ただ、鉛だけは厚さ1.5mmでも完全な遮へい効果があることがわかった。レントゲンはこの未知なる光を「X線」と命名した。

 先輩格の物理学者クルックスもレントゲンより前に同じ実験をしていて、そばに置いた感光板が露光しているのを知り、欠陥商品としてメーカーに返品していた。この差は一体何か?レントゲンはX線の発見で第1回のノーベル物理学賞を受賞している。

 このように偶然が作用して重要な発明・発見をした人は数多くいる。フレミングによるペニシリンの発見をはじめ、硬質ゴムを発明したグッドイヤー、ポアンカレーの「フックス関数」の発見、ケクレルの「ベンゼン環(核)」のアイディアなど、枚挙にいとまがない。このような「偶然や偶然のひらめきを幸運に変える力」を、イギリスの作家ホレス・ウォルポールは童話『セレンディップ(セイロン)の三人の王子の冒険』にちなんで《セレンディピティー》と名づけた。しかし、このような幸運は誰にでも簡単に訪れるわけではない。生理学者ヘルムホルツ(1821-1894)はこのようなセレンディピティーの到来を、次の三つのステップに分けている。

 (1)もはや先に進めなくなるまで続行される最初の執拗な探求
 (2)(1)のことをしばらく忘れての休息と回復の期間
 (3)予測しなかった解決法の偶然の到来


 細菌学者ルイ・パスツール(1822-1895)はこのことを「偶然は準備のできている人には必然としてとどまる」と述べている。いつも考えていない人にこのような幸運が訪れるわけはないのだ。
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知的な探求の世界に限った話ではなく人生全般にわたる示唆に富む話です。

「時をつくる」という表現があります。「時」を待っているだけでは、その「時」は来ない。
「運を招き寄せる」という表現もあります。不確かにみえる要素を、確かなものに近づけていく。


外にあるとばかり思っているものの大半は、じつは自分の中にあるのではないでしょうか?
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Author:trueno
運動音痴の中年オヤジ。 娘がサンタさんからインラインスケートのブーツをもらったので、自分も付き合いで始めたら、娘以上にハマる。おもに光が丘公園に出没。sk8以外ではルーメソと立飲みを愛好。ベース弾き。13期。

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